マハリシ・ジョーティシュの目的は、まだ来ぬ危険を避けるということにあります。まだ来ぬとは未来のことですから、未来に起こるであろう危険を避けるということです。「ということは未来を変えてしまうということでしょうか?未来が決まっているとすれば、それを変えることなどできるのでしょうか?」という質問が良く出てきます。また、「もし未来を変えてしまったなら、その後はどうなるのか?それは自然法則にさからっているのではないか?」という疑問もでてくるでしょう。
以前、人気のあったSF映画で、バックトゥーザフューチャーという時間のパラドックスを扱った楽しい映画がありました。主人公は、現在の状況を改善するために、過去と未来を行き来してハラハラドキドキの物語を展開してくれます。例えば、物語の中である出来事が起こらないと、生まれたはずの人が生まれずに、写真からその姿が消えて行くとか、社長と召使いの身分が逆転するとか等ということが起こったりします。もしそんなことが本当に起こったら大変なことになってしまいます。ヴェーダの知識では、どのように説明されているのでしょうか?
運命とは結局カルマ(行動)の結果です。つまり私たちの行動(思考活動も一つの行動とみなされる)によって作り出された影響が反作用として帰ってくるということです。それは宇宙にあまねく働いている因果の法則でもあります。「まいた種は刈り取らねばならない」という諺もあります。ただそれはいつどのような形で帰ってくるのかは、わからないので、それを知る方法が求められているわけです。ジョーティシュでは、天体の動きからその運命を知ることができます。天体の動きは、宇宙の自然法則を反映していますので、その動きから、どのように自然法則が働くかを計算することができるわけです。そして、それが個人にはどのように現れるのかを予測する知識がジョーティシュというわけです。
さて、予測するメカニズムがわかったとしても、ではどのようにしてそれを回避することができるのでしょうか?私たちには、映画の話のように、過去に戻って自分のカルマを変えてしまうような便利なマシンはありません。しかし、ヴェーダの知識の中には、否定的な運命の影響を改善する方法があります。それが、ヤギャと呼ばれている技術です。ヤギャは自然法則を利用するものですから、副作用はありません。運命を変えるというよりもその影響をコントロールするといった方がよいかもしれません。よく使われるたとえは、ヤギャは雨を防ぐ傘のようだということです。ここでの雨とは天から降ってくる星の影響です。ヤギャという傘をさせば、雨が降ってもその人は濡れなくて済むということになります。
また、私たちに許されている範囲での自由意志を行使して、起こるはずのことを起こさないように努力することもできるでしょう。運命が過去のカルマの影響であるなら、新しく作るカルマも影響を与えるでしょう。もし過去の悪い食生活の結果として、この時期に胃腸が悪くなるとすれば、今から食生活を変えて、胃腸を悪くしないように食生活を正せばその影響を最小限に止めることができるでしょう。胃腸が悪くなるというのが、起こりうる未来であり、真の未来とは、そこに様々な努力やヤギャの影響などが加わった結果ということになるでしょう。