ジョーティシュで見る星は、9つですが一般的に有益な星と有害な星という分け方があります。金星、木星、は有益な星で、火星、土星、ラーフ、ケートゥ、太陽は有害な星です。また、水星の場合は、有益な星と同じ室にある場合には有益な星となり、有害な星との場合は、有害になる。というように、そばにある星の影響により変わってしまうという変則的な傾向を持っています。月の場合にも、満ちてゆく月は有益な星、欠けてゆく月は有害な星、と同じ様な変則的傾向を持っています。
有益と有害とは、基本的なその星の性質により分けられます。例えば、有益な星とされる金星は、「美」「快適さ」「正しい行動」などの好ましい意味を持っていますが、反対に有害な星とされている土星は、「悲しみ」「抑圧」「別離」などの否定的な意味を持っています。とは言いましても必ずしも常に悪い意味ばかりとは限りません。有害な星でも、それが位置するラシ(星座)やバヴァ(室)によっては良い意味を表します。先程の土星の場合ですと、山羊座や水瓶座また、天秤座にある時は、良い意味を表します。ご存じのように山羊座と水瓶座は土星の自室です。誰でも自分の部屋にいて快適な時は、機嫌が良いわけです。機嫌が良い時には、良い影響を放つのは自然でしょう。また天秤座は土星にとって特別な部屋ですから、そこにあると、とても良い影響を放ちます。「有名」「リーダー」「お金持ち」などです。
またバヴァ(室)についてはどうでしょうか?土星の場合ですと、例えば第三室にいる場合には、「良い健康」「精神的傾向」「敵をうち負かす」。第十一室にいる場合には、「長寿」「幸福」「勤勉」「ビジネスの成功」。などの良い影響として表れます。よくラグナに有害な星があるということで、心配になって質問に来る方がいらしゃいます。その様な場合には、まずその星はどのラシにあるか?ということをまず確認する必要があります。と言いますのも、先程から見たように、どのラシにあるかによってその星の影響は、たいへん異なるからです。
ラシとバヴァの確認が終わりましたら、ここでもう一つとても大切な要素があります。それは、支配星としての影響です。例えば太陽がラグナにあったとしましょう。太陽という星は、「力」「権威」「父親」などで、それ程悪い意味はありません。しかし、その強烈なパワーが逆に災いして有害な影響が多少出てしまいますので、有害な星の部類に数えられています。例えばラグナにありますと、ピッタが増悪しすぎて、消化器系を病みやすい傾向があったり、自尊心が強すぎて、他人との摩擦が起こりやすい。などです。しかしここで、その太陽が第9室の支配星であったとすると、第9室の意味である「幸運」「哲学」などという質を太陽が持ってきますので、その人は大変運がよく知的で、人々から尊敬されるような先生やリーダーになるという解釈が出来るわけです。
このように一見有害な星であったからといって、すべて悪い影響ばかりとは言い切れないのです。ジョーティシュでは、常に多くの要素を分析して、総合的な判断が要求されます。そのために難しいと言われる由縁ですが、またそれがジョーティシュのおもしろさでもあるでしょう。